交通事故問題に強い弁護士の相談マニュアル【東京版】

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交通事故で起こり得る後遺症の種類

交通事故で多くみられる「後遺障害」の代表的な症状について解説しています。

交通事故に巻き込まれると起こり得る後遺症とは?

交通事故に巻き込まれてケガをすると、治療を受けても完治せずに後遺症が残ってしまうケースが多々あります。具体的にはどのような症状が出ることが多いのか、また自賠責の「後遺障害」に認定されるにはどんな条件が必要かなどをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

むち打ち

交通事故による外傷を受けたとき、非常に多くみられる症状が、むち打ちです。

むち打ちは、頸椎に衝撃を受けて損傷することによって発症します。

典型的な症状は、首の痛みやしびれ、肩や背中のコリ、腕の痛みなどですが、頭痛や耳鳴り、めまい、吐き気などをともなうケースもあります。事故の状況・被害者の年齢・体質などによっても発生する症状の内容や程度が変わってきます。

むちうちの治療を行うときには、頸椎を動かさずに安静にして時間をおくのが基本です。急性期を過ぎたらリハビリなども開始して、治癒を目指します。

「むち打ち症」という場合、一般的には「頸椎捻挫」「外傷性頸部症候群」を意味します。ただし「神経根症状型」・「脊髄型」・「バレ・リユウー症状型」なども広い意味で「むち打ち」に含めるケースもあります。これらの症状の場合、ときには非常に重篤な状態になる可能性があるので注意が必要です。

低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)

低髄液圧症候群も、交通事故に比較的多く見られる症状の1つです。事故による衝撃で脳や脊髄の「髄液」を包んでいる「硬膜」が損傷し、内側の髄液が外に漏れ出してしまう症状です。むち打ち症をきっかけに低髄液圧症候群になるケースもみられます。

起立したときに頭痛やめまいなどが起こるのが典型的な症状です。

低髄液圧症候群は、医学的にも比較的新しい分野であり、診断がつきにくいケースがあります。交通事故発生直後にははっきりせず、時間が経ってから症状に気づいて低髄液圧症候群と診断されることも多々あります。交通事故後相当な期間が経過しても起立時の頭痛やめまい、首の痛みや吐き気、視野狭窄などの症状が収まらなければ、低髄液圧症候群かもしれないので、一度専門の病院を受診して調べてみましょう。

高次脳機能障害

高次脳機能障害とは、交通事故や病気(脳卒中・脳炎など)によって脳が損傷を受け、脳が持つ認知機能に障害が起こるもの。言語機能・思考力・記憶力・学習能力・注意力といった認知過程にかかわる能力の低下、喪失や、行動や精神の異常などの症状が現れます。

症状の程度や内容は、脳が受けた損傷の程度によってさまざまです。仕事ができる程度の方もいますし、食事や着替えなどの日常の普通の動作すら介護なしではできなくなる方もいます。

また高次脳機能障害になった場合、本人の生活が暴力的になったり身勝手になったりすることがあります。その場合、周囲からは「交通事故でストレスが溜まっているのだろう」などと性格の問題として片付けられて症状が見逃されるケースもあり、注意が必要です。

交通事故で頭部にダメージを負った場合は、事故後に「おかしいな」と思う症状があればすぐに専門病院(脳神経外科)で検査を受けるようにしましょう。

外貌醜状

外貌醜状(がいぼうしゅうじょう)とは、頭・顔面・首など普段から人目につく部位に醜状(傷跡や組織陥没など)が残ること。たとえば顔にやけどの跡が残ったときや線状の傷跡が残ったケースなどです。交通事故そのものによる傷だけではなく、手術によって醜状痕が残った場合にも外貌醜状となります。

以前は外貌醜状の後遺障害等級の認定基準は男女で異なっており、女性の方が重くなっていました。しかしそのような取扱いは差別的であるとして問題になり、現在では男女の区別なく同じ等級が認定されるようになっています。

このページでは、損害賠償の目安や過去の裁判例などについても触れていますので、ぜひ参考にして下さい。

上肢機能障害

上肢とは、肩関節・肘関節・手関節の3大関節のある、いわゆる「腕」の部分です。上肢や手指の後遺障害には、上肢・手指の一部や全部がなくなる欠損傷害、関節の機能(可動域)が失われる機能障害、形が変わってしまう変形障害があり、症状の程度によって認定される後遺障害の等級が異なってきます。

こちらのページでは、上肢と手指を合わせて、具体的な後遺障害の症状や認定される等級、請求できる後遺症慰謝料の目安についてまとめています。

下肢機能障害

下肢とは、股関節・膝関節・足関節(足首)の3大関節のある、いわゆる「脚」の部分です。下肢や足指の後遺障害には、これらの一部や全部がなくなる欠損障害、関節の機能が失われる機能障害、形が変わってしまう変形障害、脚の一方だけが短くなって他方との不均衡が発生する短縮障害があります。以下のページでは、下肢と足指の両方について、具体的な症状や認定を受けられる条件、認定されうる後遺障害等級や支払われる賠償金の目安について解説しています。

もしも交通事故で後遺症が残ってしまったらどうする?

後遺障害等級の認定を受ける方法は2つ

もしも交通事故で後遺症が残ってしまったら、自賠責保険において正式に「後遺障害」と認めてもらう必要があります。そうしないと、後遺障害慰謝料や逸失利益を支払ってもらえないからです。

後遺障害等級認定の申請方法は2種類あり、ひとつが「事前認定」、もうひとつが「被害者請求」です。

事前認定とは

事前認定は被害者側自身ではなく、加害者側の任意保険会社に後遺障害認定を任せる方法です。事前認定を利用する場合、被害者側は「後遺障害診断書」を用意して加害者の任意保険会社に送付するだけでかまいません。手続きの手間がかからない方法です。

ただし、事前認定にはデメリットもあるので注意が必要です。

まず事前認定の場合、被害者側が積極的に自分に有利になる資料の提出などができません。ときには加害者の任意保険会社が、被害者に不利な内容の資料を提出してしまうケースなどもみられます。後遺障害認定を受けられるかどうか微妙なケースでは、加害者の保険会社に後遺障害認定の手続きを任せてしまうのは不安です。また、加害者の保険会社が積極的に手続きをしないので、放置されて時間がかかってしまうことも稀にあります。

事前認定を利用して後遺障害認定をすると、通常2~4か月程度が経った後、保険会社の担当者から被害者に対して後遺障害認定の結果が告げられます。等級が認定された場合でも、保険金はそのときには支払われず、後に示談が成立したときにまとめて支払われることとなります。

被害者請求とは

被害者請求は、交通事故の被害者本人が直接加害者側の自賠責保険に後遺障害等級認定の申請を行う方法です。

被害者の場合、被害者が自分に有利になる内容の資料などを数多く集めて提出することも可能ですし、自賠責保険の調査事務所に対して直接自分の主張を行うことも可能です。被害者が自分で直接自賠責調査事務所に書類を送付するので、保険会社の職務怠慢により手続きが滞る心配も不要です。

被害者請求の流れ

被害者請求をするときには、後遺障害診断書以外にも多くの資料が必要です。以下のような書類を揃えましょう。

  • 自動車損害賠償責任保険支払請求書兼支払指図書交通事故証明書
  • 事故発生状況報告書
  • 後遺障害診断書
  • 診断書
  • 診療報酬明細書
  • 検査結果の資料

保険金請求書や事故発生状況報告書などについては、それぞれ自賠責保険に書式があるので、まずは「被害者請求用の書類一式」を自賠責保険から送ってもらいましょう。

これらの書類が揃ったら、保険会社(自賠責保険)にまとめて送付します。

保険会社は申請書類を確認し、問題がなければ「損害保険料率算出機構」という機関に書類を回付します。すると書類が自賠責調査事務所に送られて調査が開始されます。

調査では、交通事故の状況や被害者の症状の内容や程度、後遺障害に該当するかどうか、何級が相当かなど、さまざまな内容が調べられます。

調査が終了すると、自賠責調査事務所は結果を損害保険料率算出機構へと報告し、自賠責保険会社に送られます。後遺障害等級が認定された場合、自賠責保険会社が調査結果をもとにして後遺障害についての支払い金額を決定し、被害者に結果を通知します。

その後、速やかに被害者に対し、決定された自賠責の保険金が支払われます。

被害者の場合、等級認定されたら保険金を先に受け取れる

被害者請求の場合、後遺障害等級が認定されると、自賠責基準の支払いが先行して行われます。示談成立を待つ必要はありません。このように、自賠責の後遺障害についての保険金を先に受けとれる点も、被害者請求のメリットのひとつといえるでしょう。

後遺障害認定でもらえる金額ってどれくらい?

各等級で認められる後遺障害慰謝料、逸失利益とは

後遺障害等級が認定されると、等級に応じて後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益が支払われます。等級が高いほど慰謝料も逸失利益も高額になります。

逸失利益は「働けなくなったことによって得られなくなった収入」なので、被害者が事故前に働いていたケースや主婦、子どもなどのケースで認められます。金額は、実収入や年齢によって異なり、被害者によって大きく金額の幅があります。

これに対し、後遺障害慰謝料は「精神的苦痛」に対する損害賠償金なので、人によって異なることはなく、基本的に一律です。

ただし、自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準のどの基準を用いるかによって、金額が大きく異なります。

弁護士基準なら大きく慰謝料が増額される

たとえば第1級は、両目を失明してしまった、咀嚼機能や言葉を話す機能を失ってしまった、腕や足を失ってしまったなど、もっとも重篤な後遺症が残ってしまった場合です。

その場合、弁護士基準なら2800万円、自賠責基準なら1100万円の慰謝料が支払われます。

第2級は、片目を失明し、もう片方の目の視力が0.02以下になってしまった、両目の視力が0.02以下になってしまった、両手首より先や両足首より先から失ってしまった場合など、やはり非常に重篤な症状です。この場合、弁護士基準なら2370万円の慰謝料が支払われますが、自賠責基準なら958万円にしかなりません。

もっとも低い第14級は、まぶたの一部を欠損した、局部に神経症状が残ってしまった(むちうち)などのケースですが、弁護士基準では110万円の慰謝料が支払われるのに対し、任意保険基準では40万円程度、自賠責基準だと32万円の支給額となります。

このように、弁護士基準で計算すると、他の基準より大幅に後遺障害慰謝料が増額されることは見逃せないポイントです。

交通事故で後遺障害が残ったとき、なるべく多くの慰謝料を獲得するためには弁護士に示談交渉を依頼しましょう。

正しく対応するための交通事故基礎知識
交通事故解決に必要な弁護士費用とは
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交通事故で起こり得る後遺症の種類
後遺障害の等級早見表
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