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健康保険

交通事故によるケガの治療に健康保険を使うメリットや、健康保険から給付される項目についてまとめました。

健康保険を利用して交通事故の治療を受けるメリット

健康保険とは、病気・ケガなどの出費に対する自己負担を軽減するための制度。日本ではすべての国民が何かしらの健康保険(会社員等が加入する健康保険・船員保険・公務員共済・国民健康保険など)に加入することが義務付けられています。

もちろん、健康保険は交通事故によるケガ・病気の治療にも適用されます。交通事故による被害者の場合は「加害者側に治療費を請求できるのだから、健康保険を使用しなくてもいいのでは?」と思いがちですが、自分側にも過失があるような場合は要注意。

自費診療にしてしまうと、あとで高額な治療費を自己負担しなくてはならなくなります。しかし、健康保険を利用しておけばそのような心配は大幅に軽減されるので、できるだけ早い段階から健康保険で治療を受けるようにしてください。

もし、自費治療でなければできない治療の場合はその部分だけを自費治療とし、その他は健康保険を適用してもらうようにしましょう。

健康保険の給付内容(交通事故に関係するもの)

交通事故における、健康保険の主な給付は以下の通りです。

療養の給付

療養の給付とは、被保険者が病気・ケガをした際に保険医療機関で必要な医療・処方を受けられること。保険医療機関に健康保険証を提示することで、以下のような給付を受けられます。

  • 診察
  • 薬剤・治療材料の支給
  • 処置・手術などの治療
  • 病院・診療所への入院および看護
  • 居宅における療養上の管理および看護
傷病手当金

傷病手当金とは、被保険者が病気・ケガの療養で労働できなかった場合に支給されるもの。休業4日目を起算点とし、1日あたり標準報酬日額の2/3相当の手当てが支払われます。支給期間の限度は1年6ヵ月。

療養費

療養費とは、やむを得ない理由で、保険診療を受けられず自費で診療した場合に支給されるものです。

  • 健康保険の資格取得手続きが間に合わず、自費診療を受けた場合
  • 医師の指示により特殊な治療用装具を装着した場合(コルセットなど)
  • 海外でケガ・病気になり、現地で治療を受けた場合
  • 急なアクシデントにより保険医療機関以外で治療を受けた場合
  • 柔道整復または鍼灸師による施術を受けた場合
  • 生血液の輸血を受けた場合
埋葬費

交通事故により、被保険者が死亡した際に支払われるもの。被保険者によって生計を維持していた者であり、埋葬を行う者に対して支給されます。

移送費

移送費とは、療養の給付を受けるための移動に使われた費用に対して支払われるもの。基本的に、医師の指示によって移送した場合に適用されます。

交通事故診療に健康保険は使えないと言われていた理由

「交通事故によるケガは、健康保険で治療を受けられない」と思っている方も多いようですが、健康保険を使った治療はもちろん可能です。厚労省からも「交通事故診療に健康保険を使用できる」という内容の通達が出されています(1968年10月12日保険発第106号)。

ただし、交通事故による治療で健康保険を使用する際には、加入している保険制度に「第三者行為の届出」をすることが必要となるので、必ず手続きを行いましょう。

しかし、医療機関の中には交通事故による治療に健康保険を使いたがらないところもあります。健康保険を使用せず自費治療を選択してもらった方が、医療機関は高額の医療費を請求できるからです。

こういった事情を背景に、一部の医療機関が「交通事故診療は自費診療のみ」などという説明をしたため、交通事故における治療に健康保険は使えないという説が広まったようです。

今でも交通事故診療を自費診療としていたり、健康保険の使用を拒否している医療機関もあります。ただし、すべての医療機関が「自費診療にして高額の報酬を確保したい」と思っているワケではありません。

自賠責保険や任意保険を利用した方がハイレベルな治療を提供できるというケースもあり、被害者のことを思って自費診療を勧めている医療機関もあるのです。「健康保険が使えないからこの医療機関はダメ」などと考えず、慎重に判断するようにしてください。健康保険を使うか自費診療にするかの選択権は被保険者にあります。

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